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🏠 相撲部屋の基礎知識 · 2026

相撲部屋とは?制度・生活・一覧まとめ

力士の入門から引退まで、すべての生活を支える「部屋制度」。江戸時代から続く独自の師弟関係・共同生活・育成システムを、主要部屋一覧とともに完全解説する。

⏱ 約8分で読める 📅 2026年3月更新 🏠 現役部屋数:約44

⚡ この記事のポイント

相撲部屋とは

相撲部屋(すもうべや)とは、プロ力士が所属して稽古・生活・育成を行う組織単位のことです。英語では「sumo stable(相撲の厩舎)」と訳されますが、実態は師匠(親方)を中心とした共同生活体に近く、単なる練習施設ではありません。

大相撲の世界では、すべての力士はいずれかの部屋に所属しなければなりません。入門から現役引退まで、力士の生活・給与・出場管理・育成はすべて部屋が担います。日本のプロスポーツの中でも、これほど組織と個人が密接に結びついた制度は他に例がありません。

約44現役部屋数(2026年)
約700現役力士総数
江戸部屋制度の起源
6一門(グループ)数

部屋制度の歴史

部屋制度の原型は江戸時代の勧進相撲にさかのぼります。神社仏閣の建立資金を集めるための興行として始まった勧進相撲では、有力な力士が弟子を集めて集団を形成するようになり、それが部屋制度の前身となりました。

明治時代に入ると、東京相撲と大阪相撲の二つの流れが共存していましたが、1925年に日本相撲協会が設立され、1925〜1944年に両者が統合されました。この統合によって部屋制度が現在の形に整備され、協会が各部屋の登録・管理を行う体制が確立されました。

現代の部屋制度は、2019年の協会規定改定で師弟関係や部屋運営のルールがより明文化されています。特にハラスメント問題への対応力士の待遇改善に関する規定が強化されました。

部屋での一日・生活

部屋に所属する力士の日常は、番付(ランク)によって大きく異なります。番付が低い力士ほど早く稽古を始め、部屋の雑務も多くこなします。

典型的な一日のスケジュール

時間内容
5:00〜6:00起床・稽古開始(下位力士から)
6:00〜8:00稽古(上位力士が加わり佳境へ)
8:00〜10:00稽古終了・片付け・風呂
10:00〜11:00ちゃんこ鍋(一日一度の全員食事)
11:00〜14:00昼寝(筋肉回復・体重増加に重要)
14:00〜17:00個人練習・部屋の雑務・稽古補助
18:00〜19:00夕食
21:00〜22:00就寝

ちゃんこ鍋について

部屋の食事といえばちゃんこ鍋です。「ちゃんこ」とは「部屋の食事全般」を指す言葉で、必ずしも鍋料理のみを指すわけではありません。ただし鍋料理が主流なのは、大量調理のしやすさと栄養バランスの良さからです。

ちゃんこは下位力士が調理を担当します。これも修行の一環であり、「食べる」技術と「作る」技術の両方を身につけることが求められます。番付が上がると、調理当番から外れる場合がほとんどです。

番付による生活の違い

幕下以下(下位力士)

  • 部屋の共同部屋で集団生活(個室なし)
  • 給与なし(「場所手当」のみ)
  • ちゃんこ調理・掃除・先輩力士の世話などの雑務あり
  • 外出・携帯電話の使用に制限がある部屋も

十両以上(関取)

  • 個室(または独立した住まい)が与えられる
  • 月給制の給与(最低40万円〜横綱300万円超)
  • 付け人(世話役の下位力士)がつく
  • 外出・行動の自由度が大きく上がる

親方(年寄)制度

部屋を運営するのは親方(おやかた)と呼ばれる人物で、日本相撲協会における正式な役職名は年寄(としより)です。年寄になるには「年寄名跡(としよりめいせき)」という名前の権利を取得する必要があります。

年寄名跡は現在約105存在しますが、すべてが部屋を持てるわけではなく、協会内でさまざまな役職(審判・委員など)に就く年寄もいます。新しく部屋を持つ(一門から独立する)ことは認められていますが、協会の審査が必要です。

「親方は師匠であり、保護者であり、経営者でもある。その三つを同時にこなすのが大相撲の親方だ」——現役親方のよくある表現

一門制度

相撲部屋はさらに一門(いちもん)というグループに束ねられています。一門とは複数の部屋が緩やかに連帯した集合体で、かつては稽古の共同利用や本場所での行事(審判割当など)に影響していました。

一門代表的な部屋
出羽海一門出羽海・三保ヶ関・境川など
時津風一門時津風・鏡山・中村など
二所ノ関一門二所ノ関・放駒・高島など
伊勢ヶ濱一門伊勢ヶ濱・荒汐・安治川など
高砂一門高砂・八角・東関など
宮城野一門宮城野・白鵬・陸奥など

同じ一門の力士は本場所で対戦しないという慣習がありましたが、2015年以降は撤廃され、一門内対決も行われています。

主要部屋一覧(2026年)

部屋名師匠(親方)注目力士所在地
宮城野部屋宮城野親方(元白鵬)上位多数東京・墨田区
二所ノ関部屋二所ノ関親方(元稀勢の里)大の里(75代横綱)茨城県牛久市
立浪部屋立浪親方豊昇龍(74代横綱)東京・板橋区
伊勢ヶ濱部屋伊勢ヶ濱親方熱海富士・欧勝海東京・墨田区
高砂部屋高砂親方朝乃山ほか東京・墨田区
二子山部屋二子山親方(元雅山)狼雅(西前頭10)東京・墨田区
木瀬部屋木瀬親方王鵬ほか東京・江東区
九重部屋九重親方千代翔馬ほか東京・墨田区

※師匠・所属力士情報は2026年3月時点。部屋の統廃合・移転により変更になる場合があります。

二子山部屋について

二子山部屋は東京都墨田区に本拠を置く相撲部屋で、元大関・雅山こと二子山親方(武雄山 武仁)が師匠を務めます。2010年代に再興された比較的新しい部屋ですが、幕内力士・狼雅(西前頭10枚目)を筆頭に、有望な若手を多数擁します。

部屋の詳細情報・各力士のプロフィールは二子山部屋トラッカー(英語)でリアルタイムに確認できます。番付・取組結果・AI予想も掲載しています。

二子山部屋 在籍力士(主要)

よくある質問

相撲部屋とは何ですか?
相撲部屋とは、力士が所属して稽古・生活・育成を行う組織単位です。親方(元力士)が経営し、入門から引退まで力士の全生活を管理します。2026年現在、約44部屋が活動しています。
親方になるにはどうすればいいですか?
親方(年寄)になるには、日本相撲協会の「年寄名跡」を取得する必要があります。現役引退後に申請し、協会に認定された元力士のみが親方として部屋を運営・指導できます。名跡の取得には一定の実績と協会の審査が必要です。
力士はなぜ部屋に入らなければならないのですか?
日本相撲協会の規定により、プロ力士として大相撲に参加するには必ずいずれかの部屋に所属する必要があります。部屋制度は江戸時代の勧進相撲から続く伝統で、育成・管理・選手登録がすべて部屋単位で行われます。
相撲部屋での一日の流れを教えてください
朝5〜6時に稽古開始(下位力士から)→稽古終了後にちゃんこ鍋→昼寝→午後の個人練習・雑務→夕食→就寝、が基本的な流れです。番付が上がるにつれて雑務は減り、個人の裁量時間が増えていきます。
力士は部屋を移籍できますか?
原則として部屋間の移籍は認められていません。ただし親方の引退・死去による部屋消滅や、部屋の合併・分割に伴う移籍は例外的に認められており、その場合は日本相撲協会の承認が必要です。
二子山部屋はどんな部屋ですか?
二子山部屋は東京都墨田区に本拠を置く相撲部屋で、元大関・雅山(二子山親方)が師匠を務めます。狼雅(西前頭10枚目)ら幕内力士を擁し、世界ジュニア選手権出場経験のある三田大生など有望な若手も在籍しています。