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🏆 相撲装備・文化 · 2026

まわし(相撲褌)とは?種類・素材・巻き方・値段まで徹底解説

相撲のまわし(廻し)は、力士の戦略と千年の伝統が凝縮された「戦闘服」です。稽古まわしと本場所まわしの違い、絹製が義務づけられる理由、プロが実践する正しい巻き方、そして化粧まわしが100万円を超える理由まで——ファンが本当に知りたい疑問に答えます。

⏱ 約10分で読める 📅 2026年3月更新 🎌 力士・親方への取材情報をもとに構成

⚡ この記事のポイント

Information on this page is for general reference only and may not reflect the latest official rankings or results. Always verify with the Japan Sumo Association for official data.
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🏟️ 相撲のまわし(廻し)とは何か?基礎知識

まわし(廻し)とは、力士が稽古・本場所で腰に巻く布です。相撲における「褌(ふんどし)」の一種ですが、構造・素材・用途は通常の褌とまったく異なります。

まわしの語源は「巻き回す」こと。幅約60〜90cm、長さ約7〜9mの布を腰に何重にも巻き付けて着用します(長さは力士の体格により異なります)。「巻けばいい」わけではなく、前袋(まえぶくろ)の形成、締め込みの均等な張り、「さがり」の整え方まで、正確な着用には相当の技術が要ります。

まわしを掴む・引く動作は相撲の技の大半に関わるため、まわしの形・固さ・素材が取組の展開を左右することさえあります。相撲の基本ルールを理解する上でも、まわしの知識は欠かせません。

約7〜9m
まわしの長さ(力士の体格により異なる)
約60〜90cm
まわしの幅
約3〜5kg
本場所用絹まわしの重量(締め込み後)
7〜8周
標準的な巻き数

🎽 相撲まわしの3種類:稽古・本場所・化粧まわしの違い

まわしには「稽古まわし」「本場所まわし(締め込み)」「化粧まわし」の3種類があり、素材・色・使用シーンがはっきり異なります。

① 稽古まわし

日々の稽古で使用するまわしです。素材は綿や化学繊維が主流で、耐久性を優先した作りになっています。色は黒・紺・茶などが多く、番付に関わらず使用できます。激しい動きで汗を大量に吸収するため、手入れのしやすさが重視されます。

② 本場所まわし(締め込み)

本場所(正式な大会)の取組で使用するまわしです。幕内・十両の関取は絹製が義務付けられており、色は白以外から自由に選べます。幕下以下は綿製・化繊が認められています。「締め込み(しめこみ)」とも呼ばれ、「相撲 褌」として最もよく知られているまわしです。

③ 化粧まわし

幕内力士が土俵入りの際にのみ着用する儀式用の装飾まわしです。取組には使用しません。錦や金銀の刺繍、後援者・企業ロゴ・縁起物の図案などが施され、1枚100万円以上になることも珍しくありません。狼雅生田目など多くの力士が、後援会から贈られた化粧まわしを土俵入りで披露します。

「化粧まわしは力士の『名刺』。誰が作ったか、誰が贈ったかで、その力士の人脈と人気が一目でわかる」——相撲ファンの間でよく言われる言葉

🧵 まわしの素材:絹・綿・化学繊維の違い

まわしの素材選びは、番付ルール・機能性・伝統が複雑に絡み合っています。

素材 主な用途 特徴 デメリット
絹(シルク) 幕内・十両の本場所まわし 光沢・高級感・適度な摩擦感。締め込んだ時の形が美しい 高価・水に弱い・洗濯困難
綿(コットン) 稽古まわし・幕下以下の本場所 吸汗性が高く耐久性がある。価格も比較的安価 光沢がなく本場所では見劣りする
化学繊維(ナイロン等) 稽古まわし・アマチュア 速乾性・洗濯可能・軽量 プロ本場所での使用不可。摩擦感が異なる
錦・金糸入り 化粧まわしのみ 視覚的インパクトが絶大。後援会や企業スポンサーが贈ることが多い 実用性ゼロ。土俵入り専用

絹製まわしが幕内専用とされる理由は「伝統だから」だけではありません。絹は適度な摩擦係数を持ち、相手が掴みやすい反面、引っ張られた際の張力が均等に分散される性質があります。巻き付けたときの重さと硬さが取組中に崩れにくく、「まわしを取られても形が崩れない」という実用上のメリットもあります。

🔄 まわしの巻き方:基本ステップと力士のこだわり

まわしの巻き方(「締め込み」または「まわしをつける」)は見た目以上に複雑で、力士は入門直後に先輩や親方からこの技術を叩き込まれます。

基本的な巻き方ステップ

  1. 前袋を作る:まわしの一方の端で「前袋」と呼ばれる前面を覆う袋状の部分を形成します。急所の保護と動作の自由度確保を兼ねた重要な工程です。
  2. 腰に巻き始める:前袋を固定しながら残りの布を腰に7〜8周巻きます。常に均等な張力を維持することが重要で、片側が緩むと取組中にまわしが解けるリスクが生じます。
  3. 締め込みの固さを調整する:最後の2〜3周は特に強く締め、帯状の部分が腰骨の上にしっかりと乗るよう固定します。
  4. さがりを整える:前面に垂れる「さがり(房)」を等間隔に整えます。現在は装飾的な意味合いが強いですが、もとは「外れにくくするための束」だったという説もあります。

力士による個人差と巻き方のこだわり

締め付けの強さ・前袋の大きさ・腰のどの位置に巻くかは力士によって異なります。引き技を得意とする技巧派は、まわしの腰位置を高めにして相手が掴みにくい形を意識することがあります。一方、押し相撲型の力士はまわしよりも体当たりの姿勢を重視するため、やや低めに巻く傾向があります。

「まわしをどう巻くかで、その日の取組スタイルまで変わる。まわしは力士にとって戦略の一部だ」

アマチュア・子ども相撲での巻き方

学校や地域の相撲大会では、簡略化された綿製まわしを使用します。安全性を優先し、マジックテープや結びで固定できるタイプも普及しています。伝統的な「本締め」は習得に数ヶ月かかるため、プロを目指す入門者も最初は先輩の補助を受けながら覚えるのが一般的です。

💴 まわしの値段:なぜこんなに高い?

まわしの値段はプロ仕様になると一般の想像をはるかに超えます。主な価格帯は以下のとおりです。

種類 おおよその価格帯 備考
稽古まわし(綿・一般) 約1万〜3万円 学生・アマチュア向けも含む
稽古まわし(プロ用綿) 約3万〜6万円 部屋所属力士が日常使用
本場所まわし(絹製) 約10万〜20万円以上 幕内・十両用。オーダーメイドが基本
化粧まわし(刺繍なし) 約30万〜50万円 後援会・企業から贈呈されることが多い
化粧まわし(金糸刺繍入り) 約80万〜150万円以上 横綱クラスの豪華仕様

これほど高い理由は3つあります。

  1. 完全オーダーメイド:力士の体型は千差万別で、既製品では対応できません。体重200kgを超える力士もいれば150kgを切る力士もいるため、幅・長さ・厚みはすべて個人に合わせて製作されます。
  2. 職人の手仕事:絹製まわしは織物職人が手掛けるケースが多く、素材費だけでなく技術料が相当含まれます。化粧まわしの刺繍は専門職人が数週間〜数ヶ月かけて制作することもあります。
  3. 素材コスト:高品質な絹は素材そのものが高価で、染色・加工工程を経るとコストはさらに上がります。

🔍 相撲まわしにまつわる誤解5選

まわしについてはネット上に誤情報や俗説が多く流通しています。よくある誤解を一つひとつ検証します。

❌ 誤解①「まわしは一生洗わない」

半分正解、半分誤解。正確には「本場所用の絹製まわしは基本的に水洗いしない」が正しい表現です。洗濯すると絹の繊維が傷み、形が崩れ、締め込んだ時の感触が変わるためです。実際には塩で拭く・陰干しするなどのメンテナンスが行われています。稽古まわし(綿・化繊)は洗濯可能で、定期的に洗う部屋も多いです。

❌ 誤解②「まわしが外れると反則負けになる」

概ね正しいが、「反則負け」ではありません。取組中にまわしが完全に脱落・落下した場合、相手力士の勝ちとなります。これは反則負けというより規則上の決着で、日本相撲協会の競技規則に明記されています。まわしがずれたり、さがりが乱れる程度では負けになりません。行司の判断で一時中断しまわしを締め直すことも認められています。

❌ 誤解③「まわしの色は番付で決まっている」

白以外は自由。本場所まわしの色は「白は禁止」という規則があるだけで、他の色は番付に関係なく自由に選べます。青・紫・緑・黒など、力士のトレードマークカラーとしてファンに親しまれることも多いです。

❌ 誤解④「化粧まわしは力士が自分で買う」

ほとんどの場合、後援会や企業から贈られます。100万円超の化粧まわしを力士自身が購入することはまれで、後援会・企業スポンサー・地元団体などが記念品として贈ります。贈り主の名前や家紋が刺繍されることもあります。

❌ 誤解⑤「女性はまわしをつけられない」

女子相撲では女性用まわしが使われています。日本相撲協会の本場所・伝統神事では女性の土俵入りに制限がある場合がありますが、女子相撲や学生相撲では女性選手も専用のまわし(短パン型や補助パッドつき)を使用して活発に競技しています。この誤解は「女人禁制」の問題と混同されがちです。

📜 まわしの歴史:いつ現在の形になった?

相撲の歴史は古事記・日本書紀にも記述があり、少なくとも1500年以上前には何らかの形で存在していたとされます。現在のような「締め込み型まわし」がいつ確立したかは諸説ありますが、江戸時代(17〜19世紀)に職業相撲(興行相撲)が発展する中でスタイルが標準化されました。

18世紀ごろには幕内力士が絹製のまわしを使用するようになり、化粧まわしも土俵入りの儀式とともに発展したと考えられています。明治以降、日本相撲協会が組織化される中で「白禁止・幕内は絹製」などのルールが明文化されました。現在のまわしの形状・ルールは、おおむね明治〜大正時代に確立されたものが受け継がれています。

相撲の歴史全体については相撲の歴史解説も参照ください。

📊 番付別まわし比較テーブル

番付(ランク)によってまわしの規定は異なります。相撲の番付体系と合わせて確認ください。

番付 本場所まわし素材 化粧まわし さがりの本数目安 まわしの色規定
横綱・大関 絹製(義務) ◎ 土俵入りで着用 約18〜24本 白以外自由
幕内(三役〜前頭) 絹製(義務) ◎ 土俵入りで着用 約16〜22本 白以外自由
十両 絹製(義務) × 着用しない 約14〜18本 白以外自由
幕下以下 綿製・化繊可 × 着用しない 約10〜16本 白以外自由(黒が多い)
稽古(全力士) 綿製・化繊(どの番付でも可) × 着用しない なし(稽古中は不要) 特に制限なし

❓ まわしに関するよくある質問(FAQ)

まわしは洗うの?「洗わない」は本当?

本場所用の絹製まわしは基本的に水洗いしません。絹は水濡れで繊維が傷み、形状や締め具合が変わってしまうためです。代わりに塩で拭いたり、陰干しして湿気を飛ばすメンテナンスが行われます。日常の稽古で使う綿・化繊まわしは洗濯可能で、部屋によっては定期的に洗っています。「まわしを一切洗わない」という話は本場所まわし限定の話です。

まわしが外れたら負けになるの?

取組中にまわしが完全に脱落・落下した場合、相手力士の勝ちとなります。これは「反則負け」というより規則上の決着で、日本相撲協会の競技規則に明記されています。まわしがずれたりさがりが乱れる程度では負けになりません。行司の判断で一時中断してまわしを締め直すことも認められています。「まわし落ち」はまれですが過去の本場所でも実際に起きた事例があります。

まわしはどこで買える?一般人でも購入できる?

一般向けの綿製まわし(アマチュア・子ども用)はスポーツ用品店や相撲専門の通販サイトで購入できます。価格は1万〜3万円程度です。プロ仕様の絹製まわしはオーダーメイドが基本で、相撲専門の仕立て業者に依頼する形になります。化粧まわしは職人への特注品のため、一般販売はほぼ行われていません。

まわしの「さがり」は何のためにある?

さがりとは、まわしの前面に垂れ下がる細い房状の部分です。現在は装飾的な意味合いが強いですが、もとはまわしが解けにくくするための束だったという説があります。さがりの本数は番付が上がるほど多くなる傾向があり、幕内力士では16〜24本程度が一般的です。

相撲まわしの色に意味はある?なぜ白は禁止?

本場所まわしは「白以外」なら色は自由で、番付による色の規定はありません。力士のトレードマークカラーとしてファンに親しまれることも多いです。白が禁じられている理由については複数の説があり、一説として「行司(審判役)の白い装束と混同するのを避けるため」とも言われますが、公式な根拠は明確ではありません。

化粧まわしと本場所まわしは何が違う?

化粧まわしは幕内力士が土俵入りの儀式で着用する装飾用で、実際の取組には使いません。錦・金銀の刺繍などが施された豪華な衣装です。本場所まわし(締め込み)は取組で実際に使う実用品で、相手に掴まれることを前提にした堅